日本の大学では余り見られない形態なのでイメージし辛いと思う。
タイでは大学の国際化を推し進める為に代表的な大学はこのInternational Programを設けている。各学部には一般のコースに加え、授業が全て英語で行われるコースが併設されているのだ。
正規の学生については、入試の時点でどちらのコースに進学するか決まる。International Programの入試は英語で行われ、各教科の知識に加え英語力も必要となるわけだ。故に、多くの学生は高校までインターナショナルスクールに通っていたり、帰国子女だったりする。中にはタイ語より英語の方が得意といった人もおり、タイ人同士でも会話が英語だったりする。
インターナショナルスクールスクールは学費が高く、日本の私立中高の学費より高い場合もある。
よって、International Programの学生はお金持ちの子息が多く、一般のタイ人と生活様式や金銭感覚がまるで違いかなりバブリーだ。「International Programの学生が平均的なタイ人」と考えない方が良いかもしれない。知り合いでは親の金で株に何百万も投資している学生もいた。
学力としては、International Programの学生の平均的な英語力は、従来のコースの学生を凌ぐが、英語力を抜きにすれば従来のタイ語で授業を行う一般コースの学生の方が入学の難易度は高いそうだ。
International Programは英語で授業を行う事で国際的に活躍出来るタイ人材輩出を目的としている事に加え、タイ語が話せない外国人留学生の誘致も目的にしている。英語で授業が受けられるからだ。多くの留学生がこのコースに留学するため、教室はかなりグローバルな光景になる。
また、学期の開始時期も欧米の大学に合わせているため、新学期は世界標準である8月に始まる。(一般のタイ大学の新学期は5月開始。現在はASEAN加盟国間で留学生を増やす為に、政府の働きかけによりInternational Programでない一般コースにおいても世界標準の8月開始に変更する大学が増えている)
余談だが、学部によっては夏休み期間である6月~7月の2か月間のみ、Summer Semesterという学期を設けている大学もある。僕はチュラロンコン大学の経営学部のSummer Semesterでも学んだ。2か月のみと短いものの、その分授業が密に組まれており、一つの科目を週三回行い最後に期末テストを受けた。
通常のタイ語で学ぶコースは交換留学を使わないと留学するのは難しいが、International Programであれば私費留学でも留学が可能。この場合先方に提出するTOEFLEなどの英語のスコアが必要になる。2015年1月時点では、チュラロンコン大学経営学部(BBA)はTOEFLE ibtで79点以上、IELTSで6.0が条件のようだ。
注意点としては、学部によってはInternational Programが無い学部がある事だ。例えばチュラロンコン大学には政治学部にInternational Programがない。
メリット、デメリットをまとめる。
<メリット>
・タイ語が出来なくても英語で留学が可能。
・世界各国の沢山の留学生と接する事ができる
・5月スタートの一般プログラムと違い、新学期開始が8月なので欧米の大学への留学と並行して検討しやすい。(ここ数年は一般プログラムも8月スタートに移行しつつある)
・6月~7月という2か月単位のSummer Semesterもあるため2か月間の短期留学も可能。
<デメリット>
・International Programが無い学部もある。
・お金持ち家庭が多いので、タイの富裕層の価値観に触れたり人脈作りには良いかもしれないが、平均的なタイ人の価値観には触れ辛い。
タイ語で授業を受ける一般的なコースのメリット・デメリットの方も参考にして頂けたらと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿